連載 カラーグラフ
ヤッたね看護—柳原病院の試み・6
Sさん,目を開けて!
山内 理恵
1
1柳原病院3階病棟
pp.786-787
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904624
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脳梗塞などの脳血管障害に伴い,麻痺・意識障害などの後遺症を残し寝たきりとなる老人のケースは多いと思います.私たちの病棟でも時々このようなケースにぶつかりますが,Sさんもそんな患者の1人でした.
Sさんの場合は右内頸動脈閉塞による右脳梗塞.左半身の完全麻痺と2桁の意識障害とかなり厳しい障害を残していました.このままいけば寝たきりとなるであろうことは容易に予測されます.「どうしたらいいだろうか?」いつも開かれるカンファレンスでSさんのことがあがりました.疾患と年齢からくる回復の限界,家族の介護状況,社会的受け皿の問題.Sさんを取り巻く状況はかなり厳しいものがあります.スタッフの中でもいろいろと意見が分かれました.けれど,とにかくやれるだけやってみよう.このままで寝たきりにはさせられない.そう意見はまとまりました.
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