連載 シリーズお産人探訪・1【新連載】
瀬井房子さん—「道は開ける」の精神で前進
河合 蘭
pp.424-429
発行日 1992年5月25日
Published Date 1992/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900574
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念入りに設計された助産院
茨城県の取手駅からバスに乗って約30分。視界がはるかに開け,関東平野の広がりを実感できる雄大な風景の中に「ベビー・ヘルシー美蕾」──開業助産婦・瀬井房子さんの助産院を訪ねた。
ドアを開けると広々とした玄関ホールがあり,右手が診察室兼分娩室になる。それに隣接して,バス・ルーム。そして左手の部屋は,名づけて「マルチ・ルーム」。見たところは普通の家庭の居間にそっくりで,ソファー,ダイニング・セット,食器棚,玩具などがあり,妊婦,陣痛中の産婦,その家族,瀬井さんの客人,その他いろいろな人が出入りする交流の広場になっている。私たちが訪れたときは,育児中のお母さんの集まり「赤ちゃん会」がお開きになったところだった。しかも,集まったメンバーの半数は,他院で出産した近所のお母さん,と聞いて驚いた。2階はすべて個室の入院室が3室。1室が8畳ほどの広さで,安心して添い寝ができるだけの広さをもった畳ベッドが作り付けられている。ふとんを借りて家族もたくさん泊まれる。
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