特集 針刺し事故—そのショックとリアリティ
[報告]誤刺事故防止対策とパイロット事業—名古屋市立東市民病院の取り組み
木戸内 清
1
1名古屋市立東市民病院第二小児科
pp.713-717
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904607
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はじめに
わが国では現在約200万人のC型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性者(第2世代HCV検査)がいると推定されている.そのような状況の下,慢性活動性肝炎〜肝硬変〜肝癌に進展する率の高いHCV感染症の汚染血による誤刺事故とその業務感染1)が急増している.にもかかわらず業務血液感染の最大の原因となっている誤刺事故の実態が明らかにされていないのが現状である.
米国ではエイズウイルス(HIV)感染症の増加によって,誤刺事故対策が改めて問題になり,安全装置のついた針の開発と医療現場への普及が進んでいる.また米国厚生省と労働省は組織的に業務感染対策に取り組んでいる.
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