学生の広場
不穏状態にある患者の援助—プロセスレコードを用いてかかわり方を考える
松本 佳子
1
,
飯島 弘美
1
,
上村 理恵
1
,
久保山 はつき
1
,
斉藤 和美
1
,
堀内 京子
1
,
畠山 玲子
2
1杏林大学医学部付属看護専門学校
2前杏林大学医学部附属看護専門学校
pp.245-249
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904491
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はじめに
今回,臨床実習で脳出血の急性期であるS氏を受け持った.S氏は現在ベッド上安静が必要とされている段階であるが,不穏状態が強く,起き上がったり,廊下を歩き回ったり,ついには脱院しタクシーで家に帰ってしまったりする状態であった.医師はS氏に対して,現在は急性期であり安静が必要とされているため,薬物療法によるセデーションを行ない,さらに抑制帯使用による体動の制限が取られた.
このような状況下でのS氏とのかかわりは難しく,薬物療法や抑制帯使用以外に不穏状態を軽減することはできないのだろうか,と考えた.何回かグループメンバーと話し合いを行なっている中で,S氏はスキンシップをはかりながら接していくと興奮状態が軽減していくという情報があり,これを機にS氏に対して不穏状態が出現した時のかかわりをプロセスレコードに取り,S氏がどのように変化していったのかをここに報告し,不穏状態の患者に対しての援助のあり方を考えていきたい.
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