特別記事
看護の過程の2重構造—分析的思考と直観的思考
坂口 千鶴
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.140-145
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904466
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はじめに
1955年,リディア・ホールが看護は過程であると主張して以来,看護過程のとらえ方には,オーランドとウィーデンバッグらの患者と看護婦の間で起こる行為と反応の連続である人間関係に着目する考え方と,ユラとウォルシュらの患者の問題を解決するという目的に向かって段階を踏んでいく看護婦の行為に主眼をおいたものの2種類ある1).
現在,日本で使われている考え方は後者である.すなわち,看護過程とは「クライエントの問題を決定し,その問題のための計画を立て,計画に着手したり,あるいは他者を割り当てたりしてその計画を実践し,明確にした問題の解決にあたって,その計画がどの程度効果的であったかを評価するために順序立てられた系統的方法である」2)
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