特集 総合的な診療能力を高める 診断推論戦略Up To Date
総論Ⅱ 診断推論戦略―Fundamental
二重過程理論 直観と分析を駆使する
鈴木 富雄
1
1大阪医科薬科大学総合診療医学
キーワード:
二重過程理論
,
System 1とSystem 2
,
直観的推論
,
分析的推論
,
チャンク
Keyword:
二重過程理論
,
System 1とSystem 2
,
直観的推論
,
分析的推論
,
チャンク
pp.1209-1212
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000979
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Headline
・人の意思決定においては短期作業記憶領域で処理される直観的推論であるSystem 1と長期作業記憶領域で処理される分析的推論であるSystem 2の2つの過程が関連しており,二重過程理論とよばれる.
・System 1は迅速な診断につながる効果的な方法であり,熟練者はおおむねSystem 1で正確に診断をつけることができるとされるが,認知バイアスに注意が必要である.
・チャンクとは知識を一定のブロックに整理する(チャンクする)ことで,効率的に情報を処理する技術であり,熟練者はこれにより,長期作業記憶領域の膨大な知識を短期作業記憶領域での利用可能な情報に瞬時に落とし込むことができる.
・熟練者の頭の中には情報が整理されたタンスのようなものがあるが,初学者は情報が整理されておらず,チャンクが利用できず,System 1での鑑別があがってこない.
・System 1とSystem 2とは相反するものではなく,相補的に働き最終的な結論に達する.
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