Medical Topics
2重盲検法と保健薬のききめ
高橋 晄正
1
1東大医学部物療内科
pp.58-59
発行日 1970年7月10日
Published Date 1970/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204723
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仕事がきつい,疲れる,だるくて起きられない。こういうときに,「飲んでますか」といわれると,ついふらふらとそうした保健薬(とくに活性B1誘導体)を飲んでみようかという気になる。あんなものは効かないんだ,という声も耳に入るけれども,効かないものがあんなに宣伝されているのを厚生省がだまって見ているはずがない。それにああした保健薬を許可したのは厚生省なのだし,その許可は薬事審議会の学者たちの意見によるものだというから間違いないだろう。一般の国民はこう考えるだろう。だから農家の人たちまでも,自分の家の畠でとれる新鮮な野菜や果物を食べることよりも,薬局の店頭で売っている保健薬の方がより価値があると考えて,乏しい懐をはたいてそれを買っている。だが,それらの保健薬はまったくといっていいほど無効なものばかりであることがわかってきた。どうしてそんなものが薬として世の中に流通していたのだろうか。その理由を究明してみよう。
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