特集 看護の質を評価する試み
医療の質をどのようにとらえ,評価するか—第3者の立場から質を評価する試み
中野 夕香里
1
1日本医科大学医療管理学教室
pp.126-130
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904464
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近年,医療の質に対する関心が高まっている.この現象は,医療界の内部的には医療技術の高度化,多様化と疾病構造の変化,外部的には生活水準の向上,価値観の多様化等の医療を取り巻く社会環境の変化により説明される.つまり,慢性疾患の増加により有病期間が延長する一方で,同一疾患に対する治療方法が多様化していることに,受療者側の消費者意識の萌芽が影響し,医療の質に関する問題意識が急速に高まってきたのである.
加えて,医療を支える財政的視点からの要求も大きい.人口の高齢化が進むにしたがって,医療費は高騰する一方であるが,これを賄う財源には制限があり,現状のままでは,増加し続ける高齢人口を支えきれないと言われている.
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