連載 [インタビュー]第一線に飛び出した修士ナースたち・13
さまざまなフィールドに身を置き,将来の看護政策,行政をにらむ
島田 陽子
1
,
井部 俊子
1東京医科歯科大学医学部附属病院看護部管理室
pp.62-65
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904448
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井部 島田さんとはいろいろな研究会でご一緒して,その活躍ぶりは目にしていますし,私も大変助けていただいています.まず,これまで何を考え,どのように進んでこられたのか,経歴を簡単にお聞かせ下さい.
島田 私は,もともと人と接することが好きでしたので,大学に入る前からそういう関係の仕事をしたいとは思っていました.ただ大学に入る時点では,理科か文科かという区別はあっても,まだ選択の余地が残されているような状態でしたし,看護の勉強をするという意思はあまりなく,むしろ分子生物学のようなことをやってみたいと漠然と思っていました.しかし,時がたつにつれて次第にそのような分子レベルのことは,自分がやりたいこととは違うことに気づき,3年時に学科を決める時には人間を対象とする保健学科に進みました.東大というのは決して特殊な大学ではありませんが,そこで看護を勉強することにはどういう意味があるのかと,ある時期考えたことがありました.そうしたときに,個人(自分)対対象者(患者),という1対1の関係というより,マス(集団)としてとらえたときにどのように働きかけられるか,ということを自分としてもやりたいし,逆にやらなくてはいけないのではないかとおぼろげながら思うようになりました.おそらくそのあたりから,現在関心を持っている保健分野・看護分野での行政・政策について,深めていきたいと考え始めたのだと思います.
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