リレーエッセイ がん看護CNS回想記 ~私の歩んできた道とその中での成長につながった体験~ 【4】
第4回 取得16~20年
さまざまなフィールドで経験を重ねながら看護を追究する
田代 真理
1
Mari TASHIRO
1
1聖路加国際大学看護リカレント教育部,悠翔会在宅クリニック新橋/がん看護専門看護師
pp.582-583
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_582
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自己紹介
私は,2003年に高知女子大学大学院(CNSコース)を修了後,東京新宿区にある在宅看護研究センター付属訪問看護ステーションに入職しました.そして,2005年にがん看護専門看護師(OCNS)の認定を受けました.同ステーションで7年間,医療・介護保険と自費対応の訪問看護の経験を積んだ後,聖路加看護大学(現聖路加国際大学)で看護教育に携わり,その後,都内の在宅医療専門のクリニック,病院付属の訪問看護ステーションで勤務しました.
CNS取得後10年くらいが経過すると,今後のキャリアについて悩むことが多くなりました.現場には看護への不平・不満,混沌とした問題が山積しており,勘ではなくデータなどの根拠を活用しながら看護に取り組む力,看護で培われてきた経験知を伝えていく力をつけるため,教育・研究のスキルアップをしたいと考えるようになりました.そして恩師に相談し,2016年高知県立大学院看護学研究科博士後期課程に進学しました.当初,とくにこれといった研究テーマをもっていたわけではありませんでした.しかし,これまでの看護経験を振り返って研究課題に向き合い,さまざまな人の意見を聞きながら研究に取り組む毎日は,生みの苦しみはありましたが,ぜいたくな日々だったと思います.現状を嘆くだけではなく,看護を見える化し,成果を伝え,看護の正当な評価を得ていくことの重要性を改めて感じることもできました.博士課程修了後,現在はワークライフバランスも考えながら,悠翔会在宅クリニックで看護師,また聖路加国際大学で訪問看護認定看護師教育課程の教員として勤務し,実践・教育・研究活動を行っています.
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