学生の広場
その人らしさを尊重する看護とは—喪失体験をしたK氏との関わりを通して
高橋 智子
1
1上尾中央看護専門学校
pp.718-723
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904330
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はじめに
近年,医療技術がめざましく発展を遂げる中,「全人的医療」が叫ばれるようになりながらも,ベッドサイドでの十分なケアや時間を持てずに,患者の身体的,精神的,社会的苦痛に気がつき,分かっていても応じきれないという現状がある.
私は各論実習の中で,糖尿病性網膜症のため視力を喪失した患者K氏と出会った.その経験から,私は,喪失体験をした患者が必要とする看護と,死にゆく患者が必要とする看護には何か深く共通するものがあるように感じた.
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