特集 看護と生命倫理の現在
訪問看護の現場で
紅林 みつ子
pp.604-608
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904306
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はじめに
私たちの仕事は,いうまでもなく生命と向き合っている.現在訪問をしている人たちの最期に,いつ出会うかもしれないという思いが頭から離れることはない.病状が良いとか悪いとかでは判断できないことも多い.
地域に出て看護の仕事をする場合,その場にいつも医師が居合わせることは少ない.その意味では,地域の仕事をする訪問看護婦は,その場で1人で判断しなければならないことも多いので,ものごとを考える力を身につけていなければならない.お互いに人格を尊重しあい,訪問看護婦として主体的に行動することが問われている.日常の訪問看護の場面で,果してそのような行動ができているのかどうか疑問であるが,現在訪問しているMさんとの関わりを通して,この問題を考えてみたい.
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