特集 看護史への誘い
歴史の中に見えるもの
平尾 真智子
1
1慈恵看護専門学校
pp.217-220
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904217
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歴史を学ぶ大切さ
日本テレビの番組「知ってるつもり」で,わが国のハンセン氏病患者の看護に献身的につくした井深八重さんを取り上げたことがあった.彼女は日本のマザー・テレサと称される人物で,看護婦としての最高の栄誉であるナイチンゲール記章を受賞している.その番組担当者から井深八重さんの卒業された東京看護婦学校について資料を探している,と電話があった.
東京看護婦学校は,1916(大正6)年に派出看護婦会の組合によって設立された,養成期間6か月の看護婦検定試験受験者のための学校で,1951(昭和26)年に廃校となっている.井深八重さんの卒業された当時(大正期)の学校の写真か,卒業証書が欲しいと言われたのだが昭和10年代のものしかなく,結局,番組の中では,東京看護婦学校のことは一言もふれられなかった.
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