巻頭言
国府台病院の歴史の中で
佐藤 壱三
1
1国立国府台病院精神科
pp.670-671
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202337
- 有料閲覧
- 文献概要
去る2月7日午後11時45分,当院の初代院長諏訪敬三郎先生は,持病の心臓障害が悪化,当院内科病棟の一室でなくなられた。享年72であった。先生はこの病院の事実上の生みの親であったが,どういうお気持でこの病院,精神医学の現況を眺めておられたであろうか。わが子のようにこの病院を愛し,深い関心をたえずこの病院に持ち続けられていた先生であったが……。
戦争を知らない子供たちという言葉がよくいわれているが,戦争を知らない若い世代の精神科医にとっては,先生あるいはこの病院がかつてわが国の精神医学の世界で果たした役割のもつ意味は,も早容易に理解されない,あるいは関心の外のこととなっているかもしれない。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.