特集 「寝たきり」の芽は急性期に摘む!
【呼吸器科】食事,排泄,リラクゼーション 急性期からのアプローチ
高橋 純子
1
1埼玉県立循環器・呼吸器病センター
pp.1094-1099
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904087
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急性期の呼吸器疾患患者は,呼吸困難,咳嗽,喀痰,血痰・喀血などさまざまな症状を呈する.これら身体的症状の出現により,離床が進まないケースが少なくない.また,呼吸困難は死と直面する恐怖体験であり,「恐ろしかった」「死ぬかと思った」と語る患者が多い.このような心理的負担は全身の筋緊張を起こし,患者の必要とする酸素量の増加を招く,さらに不安や恐怖からパニック状態を引き起こすなどの場合も見うけられる.
急性期の呼吸器疾患患者における離床に向けての取り組みは,身体的症状のコントロールと同時に精神的援助が必要である.離床を阻む原因について,身体的・精神的両側面から十分に理解し,床上安静を強いられる時期からアプローチすることが大切である.
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