フロントライン 2002 移植看護
心臓移植待機患者のケアにおいて看護師が感じる困難感
堀 由美子
1
,
高田 幸千子
2,3
1国立循環器病センター
2元国立循環器病センター
3現国立奈良病院
pp.1038-1043
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904075
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はじめに
我が国の移植医療においては,一般に臓器提供者が少なく,心臓移植の場合も移植を受けるまでの待機期間は非常に長い.心臓移植待機患者は,心不全による身体的苦痛や将来の見通しに対する不安などの精神的問題,経済面などの社会的問題を抱えている.これらの問題が複雑に絡み合い,患者の精神的負担は大きい.
当センターは心臓移植認定施設であり,日本全国から訪れた患者が心臓移植を待機している.看護師は,日常生活における看護ケア,患者の自立やQOLの向上に対するリハビリテーション,心臓移植に向けた患者教育などを行なっている.上記のように,心臓移植待機患者の抱えている問題は複雑であり,その看護にあたる当センター勤務の看護師の困難感も高いものと予想されるが,それを主題とした研究は見当たらない.本稿では,心臓移植待機患者の看護経験を調査し,心臓移植待機患者を支える看護師が感じる困難感を明らかにしたい.
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