フロントライン 2002 健康概念
日本人にとって“スピリチュアル”とは何か—WHO質的調査から考える
田崎 美弥子
1
,
松田 正己
2
,
中根 允文
3
1東京理科大学理学部
2静岡県立大学看護学部地域看護学
3長崎大学神経感覚医学講座精神病態制御学
pp.172-176
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903906
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はじめに
読者のみなさんは,“スピリチュアルな健康”ときいて何を連想されるだろうか.あまりピンとこない,という方が多いのではないかと思うが,WHOはこのスピリチュアルという概念が健康に寄与するものは多大であるとして,できるだけ公平な立場でWHOの健康概念の定義に取り入れようと,調査検討を続けていることをご存知だろうか.
WHOの「健康」の定義に,スピリチュアルな良好状態(Well-being)を入れるべきかどうかを検討したのは,1983年5月にWHO HQ(スイス・ジュネーブ)で開催された「ヘルスケアプログラムにおけるスピリチュアルな次元」委員会であり,その当時,医療場面においてあまりにも唯物主義が支配的で,スピリチュアルな価値を尊重しない風潮が目立つとの判断をもとに,中東諸国やアフリカ諸国の代表者から強力に提案がされたことが発端である.
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