レポート
病いが映し出す脆弱性—第6回アジア・太平洋地域国際エイズ会議に出席して
市橋 恵子
1,2
1HIV/AIDS看護研究会
2訪問看護ステーション堂山
pp.182-185
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903908
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会議テーマ:障壁を破ろう
エイズ予防財団のフルスカラーシップを得て,第6回アジア・太平洋地域国際エイズ学会に参加した.開催地はオーストラリアのメルボルン.この,ロンドン郊外を思わせる静かな町の10月は,春先といえ降りそぼふる雨と冷たい風の毎日で,熱帯や亜熱帯からの参加者は馴れない寒さの中で討論を繰り広げた.アジア・太平洋地域国際エイズ会議(International conference on AIDS in Asia and the Pacific.以下,ICAAP)は2年に1度開催されている.前回はマレーシアのクアラルンプールで,そして次回は日本の神戸が開催予定地に上がっている.
今回の会議で準備されていたトラックは,(1)治療とケア,(2)予防,(3)社会・経済政策,(4)ジェンダーセクシュアリティ,の4つである.HIV/AIDSをテーマにした会議には,レトロウイルスやワクチンなどを主に検討するような基礎医学をテーマにした会議,STDを含む臨床医学をテーマにした会議もあれば,今年6月にニューヨークで国連が行なったような政治的色彩を強く持った会議もある.12月にはタイのチェンマイでHIVケアをテーマにした国際会議もあり,さまざまな分野でエイズを切り口に会議が行なわれている.
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