特集 —チームで取り組む—脳卒中患者のADL拡大作戦
障害タイプに応じた歩行機能回復訓練
博田 節夫
1
1博田理学診療科
pp.314-318
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903705
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はじめに
脳卒中はリハビリテーションの主要疾患の1つであるが,その機能訓練は過去40数年にわたりまったく進歩の跡がみられない.
脳卒中片麻痺に対する新しい機能訓練の発想は,より重度な身体機能障害を持つ頸髄損傷や慢性関節リウマチに比してなぜ自立度が低いのかという疑問から出発した.それは運動器系の中で脳のみに存在するとされている機能の障害,すなわち失行・失認に基づくと考えられた.しかし,失行・失認と動作の関係は従来の機能訓練ではほとんど考慮されていなかった.筆者は1992年から失行・失認に着目した新しい脳卒中の機能訓練法の開発に着手し,1996年にその基本形を完成させ2),運動療法としてまとめた3).この方法は歩行訓練以外でも,ADL訓練,嚥下訓練,言語訓練,排泄訓練にも応用できる.
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