特集 死後のケア—基本技術と家族への配慮
看護婦として,家族として—いざというときにあわてないために
清水 久美子
1
1JA長野厚生連篠ノ井総合病院看護部
pp.132-136
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903665
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
死後のケアは誰が
それは看護婦が
私は看護の世界に入って30年以上を数えます.自分では職業人としてベテランの部類に入ると思っています.それだけに人の死に直面することも多く,仕事以外の場面でも友人,知人を介して死者と遭遇することがあります.
病院や施設での死が8割以上の現在,社会通念として,死後のケアに深くかかわる人は看護婦である,という認識が人々の頭のどこかにあるように思います.間違っても医師が死後のケアをしてくれるとは誰も思わないでしょう.たとえば身内はもとより,近所の人が亡くなった場合でも,手がうまく組めない,入れ歯を入れたいがどうすればいいか,口が開いてしまうがなんとかならないか,などと遺体に何か不都合が生じれば,かかわりのある看護職にアドバイスを求める人は少なくないようです.また聞かれた看護婦も当然のように真摯に答えています.このことからも世間の人は死後のケアを看護婦の仕事の一部ととらえ,看護婦も看取りの看護のひとつとして,いわばターミナルケアの延長として,自分のなすべき仕事ととらえていると考えられます.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.