特集 家族のみつめ方・支え方
—実践報告・1—ハイリスクで未熟児を出産した妊婦とその家族へのかかわり
小倉 希美
1
,
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
pp.512-517
発行日 2000年6月1日
Published Date 2000/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903482
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はじめに
これまで家族は,主として患者をよりよく理解するための背景的存在として,あるいは患者のための資源的存在として捉えられてきたように思う.しかし,家族を背景的・資源的存在として捉える限界を,私たちは日々の実践のなかで実感している.すなわち,ケアの対象を患者とその家族であると捉え,双方へケアの提供を行なわなければ,患者へのケアそのものも危ぶまれるのである.子の誕生という家族のライフサイクルにおける最大の出来事を経験しようとしている対象にあっては,家族を含めたケアはとりわけ重要である.
今回,てんかんと慢性腎炎を合併して妊娠したHさんに,第1子,第2子の誕生を通じてかかわった.Hさんに看護介入していくなかで,家族を含めてかかわりをもっていくことの大切さを改めて感じることができた.
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