研究
未熟児の臨床統計—妊婦指導の立場から
蓮池 よし子
1
1東京逓信病院産科
pp.30-37
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202678
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1.はじめに
未熟児に関する問題は1922年Hess, J.H.がシカゴのSarah Morris Hospitalにはじめて未熟児センターを設けて以来,単なる医学上の問題としてだけではなく,社会問題の一つとしてとりあげられ,その病態生理に関しては今日までに数多くの新知見が発表せられ,とくに保育の面ではすでに養育法1)2)3)が立法化されて体重の少ない未熟児でもしばしば正常に発育させることができるようになって来たことは周知のことである.
しかしながら他方,未熟児の予後の問題,とくにその精神,知能の発育に関してはまだ多くの問題が残されており,時に悲惨な運命をたどる児の報告4)もみられ,その予防の重要性についても再認識されるようになってきた.
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