特集 病・障害と生きる—患者からのメッセージ
生きている証しを求めて
杉本 孝子
pp.294-298
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903437
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子の誕生,喜びも束の間に
私は在宅療養の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者です.現在は夫と息子の3人家族で,一応は主婦,妻であり母親でもあります.発病して20数年になりますが,発病当初の5年ぐらいまでは一気に進み,その後はやや小康を保ちながら緩やかに進行している状態です.
20数年の歳月は私に背負いきれないほどのさまざまな体験をもたらしました.健康体であれば,おそらく気付くこともなく経験することもないであろう事柄を,闘病を介して知ることになりました.
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