Japanese
English
今月の主題 臨床と病理のマリアージュ
序説
臨床と病理のマリアージュ—生きた診断学を求めて
Introduction
二村 聡
1
Yasuharu Kaizaki
1
1福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科
キーワード:
マリアージュ
,
肉眼像と病理組織像
,
対比と対応
,
守破離
,
写真撮影
Keyword:
マリアージュ
,
肉眼像と病理組織像
,
対比と対応
,
守破離
,
写真撮影
pp.1041
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203685
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「臨床と病理のマリアージュ」という「胃と腸」誌らしからぬ特集号の序説の執筆がなかなか進まない.それは,テーマがあまりにも深遠だからである.フランス語は全くわからないが,マリアージュ(mariage)という言葉は聞いたことがある.筆者の浅い知識によれば,異なる2つの存在が融合,調和し,ひとつにまとまった存在になるさまを表現する言葉である.文学における詩的な場面で用いられることが多いが,色彩芸術学でも用いられる.
さて,本誌における臨床と病理のマリアージュを実現するためには何が必要か.①美しい写真が必要,②飽くなき探究心が必要,③ある程度の経験が必要,の3つが挙げられる.しかし,何かしっくりこない.煎じ詰めてみると,「動機は不純でよい」という結論に達した.つまり,上手くマリアージュしている方々の真似をすればよいのである.そして,真似をしながら自分なりのやり方を見つけ出し,確立していけばよいのである.これはまさに「守・破・離」の境地にほかならない.時には伝統という名の呪縛から自分を解放する勇気も必要だ.
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