特集 筋萎縮性疾患
<手記>残存能力を求めて生きる
山田 富也
1
1社会福祉法人ありのまま舎
pp.626-629
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102852
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進行性筋ジストロフィー症.全身の筋肉が萎縮し,運動の機能の障害が進み,ついには身体を動かすこともできなくなる.現代の医学でもってさえ,その治療法はおろか原因すら解明されていない難病である.
私がこの病気に冒されてから,かれこれもう30余年になる.筋ジストロフィー症の中でも特に8割を占めると言われるDuchenne型はもっとも幼くして発病し,2~3歳のころから症状が顕著になり,歩くことが徐々にできなくなり歩くどころか立ち上がることも困難になってくると,ちょっと人に触れただけでも倒れてしまう.そして10歳前後で車いすの生活,30歳前後で死亡に至る,何とも恐しい病気である.
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