連載 ケーススタディ[ナースのための心理的アプローチ]・25
「頑張れって言わないでください」—鎮痛剤中毒からの離脱目的で入院したCさん
保坂 隆
1
1東海大学医学部付属病院精神科
pp.58-61
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900301
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Cさんのプロフィール
Cさんは25歳,男性の血友病患者であり,頻回の輸血のためにエイズに感染していることが2年前に判明したが,発病はしていない.血友病に理解のあった社長のもとで通常の仕事に就いていたが,エイズ感染が判明した時に,仕事中に出血して会社の人に迷惑をかけてしまうことを恐れて自ら退職した.
これまでも時々,関節腔内出血が生じていたが,ある救急病院に搬入された際にペンタゾシンを注射してもらったところすぐに痛みがとれたために,それ以後は痛みのたびにその病院を訪れ,同剤の注射を受けていた.気づいた時には毎日その注射を続けるようになっていた.その時点で初めて鎮痛剤中毒であることを知らされて,紹介により某病院のエイズ病棟に入院した.
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