特別記事
痴呆性老人のケアのポイント—病棟看護を中心にして
五島 シズ
1
1特別養護老人ホーム緑寿園
pp.880-887
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900209
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高齢化の進む中で,老人患者のケアに当たる機会は増えている.多くの老人患者の中には,痴呆性疾患を合併している患者もいる.今や痴呆性老人のケアは日常的なことになっている.繁雑な看護業務の中で,入院や検査・治療のために,混乱する痴呆性老人に振り回される看護から脱して,積極的な看護に目を向けていく必要があろう.
三宅1)は一次的要因(脳器質性変化)に加えて,二次的要因の大きい場合は,痴呆状態がより悪化して見える,と述べている.痴呆性老人の看護はまさに,個々の老人の二次的要因の原因を知り,軽減させるための援助である.さらにそうしたストレスが再び加わらないようにすることである.そのためには,痴呆性老人の特徴をとらえるとともに,個々の老人の身体疾患,生活歴,習慣,家族関係,老人の生きてきた文化的背景などを知ってケアにのぞむことが大切である.
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