連載 こんな時のカウンセリング・15
末期医療の現場で“逃げ”を意識する時
白井 幸子
1
1国立療養所多磨全生園
pp.598-601
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900151
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今回もまた,ターミナルケアに関する問題を取り上げましょう.相談は,千葉県の国立病院に勤務する卒後7年目の看護婦,柏原恵子さん(仮名)から寄せられました.柏原さんの相談内容は次のようなものでした.
「肺癌末期の患者さんから『私なんか先がないから……』と言われて困ってしまいました.相手が投げかけてくる言葉が,そのまま正直な気持ちを表現している場合と,言葉の奥に本当に受けとめてほしい何かが隠されている場合とを,どのように見分けたらよいのでしょうか」
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