特集 病院を飛び出した看護婦たち
生活の中の看護を求めて—在宅看護の夢に賭ける
山田 京子
1
1在宅看護研究センター
pp.254-259
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900070
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懐かしい病院
秋の深まりを感じるある日の午後,私は緊張で高鳴る胸をおさえ,某大学病院を訪ねた.数日後に退院し在宅療養を再開するAさんの継続看護と,病院と在宅看護研究センターとの今後の連携を図るための訪問だった.
混雑する外来,手術を終えたばかりなのか数本の点滴,酸素マスクをつけ,医師,看護婦に付き添われてベッドごと担送される患者,廊下にはみ出た医療機器——病室まで続く光景はみな懐かしく,4年前まで白衣姿で救急,ICUと走り回っていた自分が思い出された.この病院が私の母校に隣接し,親しみがあったことが懐かしい思いを一層強くさせたのかもしれない.
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