グラフ
民間病院の総婦長として看護の可能性に賭ける—小張病院総婦長・長谷川美津子さんの1日を追う
岩下 守
,
本誌
pp.1336-1341
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921258
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今回のグラフの主役,長谷川美津子さんは本号の特集を執筆している〈日常ケア検討会〉の有力なメンバーでもある.検討会の席上で彼女のソプラノが名調子を奏で始めると,会は俄然盛り上がる.歯に衣着せぬというよりは,正義感が服を着て歩いているような人だから,彼女の舌鋒には他のメンバーから「言いにくいことをよくぞ言ってくれた」との思いを込めた感嘆の声しきりなのである.
その長谷川さんに,千葉県野田市に新設された小張病院(小張淑男院長)から誘いがかかったのは,今年の2月のことだった.これまで都会の大病院で,しかも,スタッフとしてしか勤務したことのない彼女に,地方の個人病院が,総婦長で来てほしいという「寝耳に水」のラブコールを送ってきたのである.迷いに迷った挙句,彼女が招請を受諾した時には,すでに開院が目前に迫っていた.最終的にどのような判断でこの困難な道を自らに課したのかは知る由もないが,それこそいつものように,真正直に‘看護’を考えた末の決断だったことは間違いない.
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