特集 病院を飛び出した看護婦たち
一旦は捨てたつもりの看護職の免許—自分らしさを生かし続けていくために
渡辺 由佳里
1,2
1コロプラスト(株)学術部
2コロプラスト(株)
pp.248-253
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900069
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2つの質問
コロプラスト(株)の学術部に就職して以来,いく度となく次の2つの質問を受けた.「なぜ看護婦をやめたのか」あるいは「なぜ病院をやめたのか」.この2つの質問は実は似ているようで非常に異なる.私は病院勤務はやめたが,今でも看護婦であることには変わりない.
実際にコロプラスト社では看護婦として勤務している.最初の質問は質問する人が無意識にしろ意識的にしろ「企業に勤めている看護婦はもう看護婦ではない」と考えていることを示している.これは日本での看護を取り巻く状況を考える上で興味深い.そして,2番目の質問の方だが,私にとってはこちらの方が答えにくい、「言えません」では相手に対して失礼だし「分かりません」では何も考えていないと思われる.しかし,実際私がなぜ病院勤務をやめたのか,ということを2,3分の簡単な説明で済ませることは不可能である.
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