連載 驚きの「介護民俗学」・5
体に刻み込まれた記憶
六車 由実
pp.78-83
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101676
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ジェスチャーゲーム
デイサービスの介護職員が頭を悩ますことのひとつは、月に何回か担当として回ってくるレクリエーションで何をやるかということである。ベテランの職員は自分の得意分野を中心にいくつかの持ちネタを常に用意していて、それをその日の利用者の顔ぶれや能力に合わせて実施しているが、まだ経験不足の私は前夜にレクの準備に奔走することになる。
ある日の朝、いつも通りに出勤すると役割分担表の私の名前に「レク」のマークがついている。どうやら職員数が減ったために役割分担が急に変更になったようだ。そこで苦しまぎれに思いついたのが「ジェスチャーゲーム」だった。紙に書いた“お題”を見せてそれを言葉を使わずに身振り手振りで表現してもらい、他の参加者がお題を当てるというゲーム。言葉を使わないでジェスチャーのみで理解してもらうというのは意外に難しく、頭を使うものである。
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