連載 かかわるチカラ―糖尿病療養指導の現場学・12【最終回】
「患者の声を聞く」ということ
東 めぐみ
1
Megumi Higashi
1
1駿河台日本大学病院
pp.86-91
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101412
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事例 Aさんはほんとうに「クレーマー」なのか?
「油物が好きだし、ほとんど外食だね」
Aさんは60代男性。20年前に糖尿病を指摘され、10年前にインスリン療法を導入、現在4回法(超速効型インスリン朝26-昼26-夕26-持効型インスリン就寝前30)を行っている。HbA1cは10~12%台であり、食前血糖値は400mg/dL~250mg/dL台が続いていた。
3年前に心筋梗塞を起こしてから循環器科で治療を受けている。血糖のコントロールが悪いため、糖尿病専門医の診察を勧めているが、「医師を変えたくない」と言っている。
Aさんは心臓カテーテル検査や血糖コントロールのために入退院を繰り返しているが、すごみのある容貌のうえ看護師に対してはっきりと不満を言い、病院の規則を守らないことがあるため、看護師からは煙たがられている存在であった。
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