特集 准看制度廃止への展望—看護の質の向上を目指して
ベテラン准看護婦の声を聞いて
永間 征子
1
1福岡県立嘉穂病院看護部
pp.922-925
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917968
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
私は,准看制度をめぐる今日までの看護協会の動き,また各種団体の様々な角度からの展開の様子を,准看護婦20年生として非常に関心をもって見守ってきた者の1人である,ただ見守るだけで,個人としては何もできない現実のなかで,制度改革を切実なものとして願う私どもにとって,ただ厚い壁だとあきらめるわけにはゆかない.今この稿を書くにあたり,改めて准看制度廃止運動に関するたくさんの資料を読み返した.昭和26年4月に准看護婦制度が設置されから今日での25年間,進学コースの設置や最近の協会案の移行措置のプランまでを見てくると,まだ私たちの願う切実で実現可能と思われる明るい展望は見いだせない.
既に言い尽くされ,語り尽くされ,書き尽くされたことではあるが,私も,現在の医療組織の中で私たち准看護婦の占める比重は,量としてだけでなく,質的にみても非常に高いと自負するものの1人である.反面,待遇面や人事上では,2重構造のなかの准看護婦は決して恵まれていないことは周知のとおりである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.