連載 世界の感受の只中で・5
老い・5
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.834-838
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101080
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「現在,死を選択する権利の確立に向けて運動が始まっている.高齢者にとっては,「死ぬ権利」は欠くことのできないものだと,私は信じている.それはちょうど,女性にとっては,「生むことを選択する権利」が昔も今も絶対不可欠の権利であることにも比すべきであろう.高齢者にとって欠くことのできないこの「選択権」については,集中治療室の機械をいつとめるかという問題が目下議論の的となっているようだが,じつはこれにとどまるものではなく,個人的,政治的に複雑な意味合いが絡み合っているのではないかと思われる.女性にとって欠くことのできない(妊娠,出産についての)「選択権」の問題も,私にとっては,単なる人工妊娠中絶を越える問題を意味していたものだ」(Friedan 1993=1995:下巻234.235)
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