特集 バイタルサインから読む! 薬のリスクマネジメント
血圧と脈にかかわる薬
髙橋 賢成
1
1北里大学病院薬剤部
pp.734-741
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100964
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高血圧,心筋梗塞,心不全などの循環器系疾患患者は,血管拡張薬,利尿薬,α遮断薬,β遮断薬などで治療されるが,そのなかで血圧の変動,特に過度(一過性)の血圧低下によって,ふらつきやめまいを生ずる患者がしばしば見受けられる.また,β遮断薬や抗不整脈薬を投与されることで徐脈や不整脈が生じ,めまいや動悸を伴うことがある.治療を受けている患者に薬物療法が行なわれる過程で,発生し得る症状を事前に伝えておくことで起立性低血圧やめまいなどによる転倒・転落などの医療事故を防止することは大切なことである.また,看護者が与薬した薬剤の性質や作用発現時期を理解し,場合によっては,血圧や心拍をモニターしながら念入りに観察する必要がある.
本稿では,循環器系治療薬の血圧や脈の変動に伴うふらつきやめまいに対する看護のうえでの注意点を述べる.
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