特集 くじけてばかりはいられない 糖尿病看護の知恵袋
食事療法のトラブルポイント
本田 佳子
1
1虎の門病院栄養部
pp.34-37
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100897
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はじめに
食事療法へのサポートで基本的なことは,①日常の生活スケジュール,②最近の連続した3日間の食事記録,もしくは最近1週間から1か月間の食生活について問診し,患者の食生活を把握することです.これにより,患者の生活リズム,誘惑環境,人生観,食生活の位置づけ,重みづけを理解することができます.また,食事療法の実践におけるトラブル解決策の糸口も見つけることができます.表1に食事療法の成功を妨げる要因を列挙しました.これ以外にも問題点はあり得ますが,問題点が明確になれば,その解決のために対応することが可能となります.具体的な対応にあたっては,表2を考慮します.
食事療法を実践する上で最も重要なことは,毎日続けることができるか否かです.患者さん自身は,わからない,面倒,などの気持ちが先立つようですが,まずはできることから始め,食事療法への一歩を踏み出させることです.そして,糖尿病治療においては食事療法が必要であることを,チャンスを捉えて患者自身が認識できるよう導くことが重要です.治療への動機づけができれば,食事療法の成功へのキーを掴んだといっても過言ではありません.
ここでは,食事療法のトラブルポイント別の対応方法をご紹介します.
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