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特集 骨折とリハビリテーション
大腿骨頸部骨折患者の術後訓練における留意点
Considerations in Post-operative Exercise for Patients with Femoral Neck Fracture and Trochanteric Fracture.
冬木 寛義
1
Hiroyoshi Fuyuki
1
1東京医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Medical College
キーワード:
大腿骨頸部骨折
,
転子部骨折
,
手術
,
訓練
Keyword:
大腿骨頸部骨折
,
転子部骨折
,
手術
,
訓練
pp.635-640
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108700
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はじめに
大腿骨頸部骨折の治療において,昨今の手術法の進歩と固定用デバイスの開発は患者の早期社会復帰に大いに寄与している.早期離床を唱えるリハビリテーションの立場としてもきわめて歓迎すべきことであるが,これは単に早期離床し得るに足る力学的強度が内固定材料の強度により保証されたということであって,骨そのものが治癒し,強度を回復したわけではないことを忘れてはならない.本骨折は未だにunsolved fractureであり,その病理や治療原理に関して必ずしも十分に解明された訳ではなく,偽関節やlate segmental collapse等の問題も未解決のままである.リハビリテーション訓練はこれらimpairment levelの問題を踏まえ,かつそれを洞察することによって科学的に導き出されるべきものであって,早期離床はこれに裏付けられたものでなくてはならない.
ここでは大腿骨頸部骨折の特殊性,現在の本骨折治療の基本的な考え方と方法について触れ,術後のリハビリテーション訓練において考慮検討すべきポイントを提起したい.
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