特集 これでは子どもが守れない!? 小児看護の“危機”とは何か
総合病院の中の小児病棟―激動の中で適応を求められるスタッフと管理者
村上 美好
1
1前・済生会横浜市南部病院
pp.638-642
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100752
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医療の現場は,いつも多忙をきわめている.その中で看護職者は,複雑化する業務を安全に遂行するために努力をしている.とりわけ小児科は,患者減少のために経営上の問題をもろに受けやすく,現場は経営方針に翻弄されているのが実情である.このような中で看護職者が十分な能力を発揮するには,個人の努力のみに委ねるのは限界がある.看護管理者はそのことを考慮して,チーム全体の努力が実りあるものとなるように支援し,具体的な人的・社会的資源を活用し,環境条件を整える役割がある.
当院においても,小児科の運営はいつも試行錯誤の繰り返しであった.筆者は看護部門の管理者として,小児科病棟内部の問題に対処するために,常に衝突・混乱から適合性を見出そうと努めてきた.個々の看護職者が小児科ナースとしての能力を確実に発揮できるよう,また,各自が「小児看護とは」を問いつづけることができることを願いながら取り組んできた.現在もその努力の途上にあるが,ようやく光が見えてきている.
本稿では,問題山積の小児看護の現場において,個々の看護職者が誇りを持って働き,看護の質を高めるために必要な視点を,管理者の立場から考えてみたい.
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