特集 激動! 膀胱癌薬物治療
企画にあたって
激動! 膀胱癌薬物治療
小林 恭
1
1京都大学大学院医学研究科 泌尿器科学
pp.425
発行日 2025年5月20日
Published Date 2025/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930790060425
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泌尿器科領域の中でも膀胱癌は最も「遅咲き」の疾患と言ったら語弊があるだろうか.否,その薬物療法は1990年代から30年近く予後改善をもたらす新規薬剤が登場しなかった.その状況を打破したのが,2017年のペムブロリズマブ二次治療だったわけだが,それを皮切りに瞬く間に多くの新規治療レジメンが開発され臨床で使用可能になった.
縁は異なもの味なもの,膀胱癌治療薬の開発が停滞していたまさに1990年代から2010年代にかけて活躍した,遅咲きのオランダ人ストライカーの言葉が現在の状況を見事に言い表している.曰く,「ゴールって言うのはケチャップみたいなもの.いくら頑張っても出ないと思ったら,一気にたくさん出たりする」.日本でも代表選手がインタビューで引用したことで広まった.

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