連載 悩めることも才能だ!―宮子あずさのお悩み外来⑫
あまりにお粗末な医師と働くのが嫌になってきました……
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.1136-1137
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100683
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- 文献概要
医師との関係に悩んでいます.患者さんの様子がいつもと違っていた日.予約の検査はキャンセルしたほうがよいと申し出たのですが,あるベテラン医師は,聞く耳をもちませんでした.案の定,途中で体調が悪くなり,結局検査は遂行できませんでした.また別の医師は,患者さんの病状変化にいつも動揺し,適切な指示が出せません.夜間など彼しか医師がいないときには,これまでの経験から,やむをえず私が処方や処置を提案することになります.これが繰り返されたためか,今では私を露骨に煙たがる様子が見て取れます.こうしたことが積み重なり,私が医師だったなら……と思うことがしばしばです.看護師には裁量権がありません.医師はどんなに出来が悪くても,その権利をもっています.そのことはわきまえたうえで進言しているつもりです.それでもまったく意見を聞き入れてもらえないとしたら,いったい看護師は何のためにいるのでしょう.無力感と腹立たしさを感じます.(30歳・女性・外科)
医師としてだめなのではなく,人としてだめなのだ!
ご質問の文章だけから具体的な場面と,医師の判断を類推することは不可能ですが,そのディテールはこの際本質的な問題ではないのでしょう.あなたがこのように感じるまでには似たような場面がうんざりするほど繰り返され,あなたは相当に嫌気が差している.そんなお気持ちが透けて見えてきます.
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