感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
[5]培養法
B 対象別培養法
2)嫌気性菌
森 伴雄
1
1三井記念病院中央検査部
pp.762-765
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205039
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近年,操作性に優れた種々の嫌気性菌培養装置が考案され,また嫌気性菌用培地の種類が増え,さらにこれらの生培地も次々と市販されている.その結果,嫌気性菌の培養技術は著しく向上し,従来は培養困難であった嫌気性菌の検査が容易になった.しかし,この数年,新しい抗菌剤の開発によって好気性菌感染症の治療に嫌気性菌にも抗菌力を有する薬剤が投与されるようになり,嫌気性菌の分離頻度は5年前の1/2〜1/3に減少した1).そのため,嫌気性菌感染症の認識が薄れ,以前のような臨床医からの検査指示が少なくなった.そのため,嫌気性菌の検査はルチーン検査をシステム的に行うことが重要である.
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