特集 「自分で決める」を支えるために
患者の自己決定をサポートする「専門家」として―医療コーディネーター・医療コンシェルジュの立場から
平沢 永子
1
1前東邦大学医学部附属大森医療センター看護部
pp.1008-1013
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100654
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日本においてインフォームドコンセントの重要性が叫ばれるようになって10年以上が経過した.本来,インフォームドコンセントは患者の権利を尊重するもので,医師側から選択可能な治療の種類やその利点・欠点について説明し,それに基づき患者が選択・決定するという主旨である.が,現状では医師が必要と判断した検査・治療を文書等で説明し,患者がそれに同意することにのみ主眼が置かれており,患者に十分な選択肢が与えられていないという問題がある.
一方,医学の進歩により年々治療の選択肢が増加していると同時に,インターネットの普及により患者がさまざまな情報を取得することが容易になった.患者が得た情報を基に自分の価値観に見合った治療法を選択することは,今後ますます増えていくと思われる.しかし,多くの患者は医学的知識や情報の不足,自己の選択基準が明確になっていないなどから,適切な選択をするには誰かのサポートを必要としている.患者の自己決定をどのようにサポートしたらよいのかについて,私が資格をとった新しい職種である,医療コーディネーターと医療コンシェルジュの仕事を紹介しつつ,考えてみたい.
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