連載 世界病院史探訪・7
ブルージュの聖ヤンス・ホスピタル
石田 純郎
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1医療法人慈生会 介護老人保健施設くつろぎ苑
pp.767-768
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102628
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ベルギーの古都ブルージュ(Brugge)の歴史地区は世界遺産に指定され,日本人を含む多数の観光客が訪れる.1088年に創設された聖ヤンス・ホスピタルは,その旧修道院棟に,ベルギーを代表する画家のひとり,メムリンク(Hans Memling,1430/1440頃~1494)の作品を展示しており「メムリンク美術館」とも呼ばれているが,館内には病室や薬局の歴史的な展示もある(9時半~17時,月曜日休館).
ブルージュ駅から旧市内へ入り川を渡ると,聖ヤンス・ホスピタルがある.この修道院病院のすぐ南に接して町の防御壁の機能をする堀川があり,シーズン中には観光客を鮨詰めにした観光ボートがひっきりなしに上下している.中世の病院の多くは川に接して建てられた.川を上下する船から税を接収する,収容者が逃亡するのを防ぐ,などの意味があったようだ.
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