連載 カズのもっとカンボジア日記・20
「教育」の文化
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.393-395
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100429
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
海外に住んでいると何かと空港を利用することが多くなるのですが,イミグレーション・オフィサー(税関・出入国管理の担当者)は,どこの国も同じような雰囲気をもっています.多少の差はあるものの,多くが“ムッツリ”型.アメリカはとくにあの9月11日のテロ以来,さらにムッツリが厳しくなり,いつも緊張感をもっていて挑んでくるようです.国籍不明に見える私は密入国者とでも思われるのか,東南アジアの国々ではいつもじろじろと顔とパスポートを眺められます.「おまえは,何者だ」とでも言うようにね.いやな感じです.
でも,ここカンボジアのオフィサーはちょっと違って,なかなかフレンドリーです.私の顔とパスポートを見て「あれ? カンボジア人かと思った.どこで働いているんですか?」,私が「アンコール子ども病院よ」と答えると,「カンボジアの子どもたちのために働いてくれてありがとう」なんて言うんですよ.それに,最近では私のことを知っているオフィサーも多く,「あー,ニャックルー(女先生),今回はどこへ行くの?」なんて言って,私の下手くそーなカンボジア語での会話も弾むんです.いい気分で旅立つことができます.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.