特集 糖尿病看護とバーンアウト 「挫折」を宝に!
挫折体験を宝に変える! 糖尿病の知恵袋たちのお宝事例カンファレンス
事例1 高齢患者とバーンアウトする家族
石井 均
1
,
斎藤 幾重
2
,
船田 仁美
2
,
原 千晴
3
,
東里 智子
4
,
荒木 厚
5
,
石黒 友康
6
,
古家 美幸
7
,
本田 佳子
8
1天理よろづ相談所病院
2さいとう内科クリニック
3北海道大学病院
4ハートライフ病院
5東京都老人医療センター内分泌科
6聖マリアンナ医科大学病院
7天理よろづ相談所病院内分泌科
8虎の門病院
pp.118-124
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100395
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事例1
72歳・男性・2型糖尿病・老人性痴呆あり(事例提供者:船田仁美)
高齢患者とバーンアウトする家族
事例紹介
72歳,男性,無職,2型糖尿病.合併症は,第4期腎症.既往歴に,老人性痴呆がある.家族構成は,妻と娘と2人の孫の5人暮らし.
身体所見は,身長152cm,体重59.6kg(初診時58.6kg),BMI 25.2,血糖(空腹時)342mg/dl,HbA1C9.9%(初診時12.3%),CCr24ml/分.
1997(平成9)年,66歳のとき定期健診で血糖上昇を指摘され,他院にて糖尿病と診断・治療.1―2か月の教育入院を受け,その後も定期治療,2001(平成13)年よりインスリン治療を開始する.しかし,老人性痴呆があり,インスリン注射のコンプライアンスが悪く,家族(娘)にすすめられて当クリニックを受診.打ち間違いが多いなどの家族からの指摘を受けインスリン注射を中止,6か月間は経口血糖降下剤にてフォローしたが,最大量でも血糖コントロールが悪く,腎症の進行が心配された.そのため,インスリン治療の再開の必要性を本人および家族に説明.インスリン注射再開に対して本人は,「めんどくさいなあ」などと拒否.家族も協力に難色を示した.
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