招待席
ナマコが教えてくれた“時間の不思議”―自分らしい生き方へのヒント
本川 達雄
1
Motokawa Tatsuo
1
1東京工業大学生命理工学研究科
pp.425-429
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100247
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――先生は,「生物のサイズによって流れる時間が変わる」という大変ユニークな説をお持ちですが,まずはそのことについてご説明ください.
本川 20代後半のとき,琉球大学の講師として沖縄へ赴任しました.初日は19時30分から歓迎会をしてくださる予定だったので,時間通りに飲み屋に行ったんですよ.でも,誰もいない.結局,1時間も遅れて始まったんです.隣の人に訳を聞いたら,「19時30分に始まるっていうのは,“そのころ家を出る”ってことだよ」と言われ,驚きました.つまり,19時30に現地に集まると,家が遠い人は余計に時間を使うことになる.だから,同じ時間に家を出て,家の近い人が遠い人を待ってあげる――.「文化が違うと時間感覚も違うのか」とショックを受けるとともに,「本当はこのほうがわれわれに合っているのかもしれない」と思いました.
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