調査・研究
消灯時間延長の実際と効果―淀川キリスト教病院の取り組みから
松原 沙織
1
,
和田 栄子
2
1淀川キリスト教病院本5内科
2淀川キリスト教病院本6外科
pp.478-483
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100248
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はじめに なぜ消灯時間を見直したのか
淀川キリスト教病院(以下,当院)では,2001年に21時だった消灯時間を見直す調査「生活リズムに沿った消灯時間の検討」を行ない,2003年9月からすべての成人病棟において,消灯時間を22時に延長した.
消灯時間を見直す調査を行なったのは,当時,消灯後にテレビやベッドサイドランプを使用する患者の姿を目にすることが多く,「家では9時になんか寝ないよ」「9時からおもしろいテレビがあるのに……」などの声をよく耳にしたからである.また,筆者ら看護師は消灯時間を守るよう呼びかけていたが,もし自分ならと考えると「21時は就寝には早いのではないか」という疑問も少なからずあった.
消灯時間を21時に設定している病院は多い1).患者の日常生活に沿った入院生活を整えることは,医療サービスの向上や健康回復の観点から見て重要である.一方,日本人の生活リズムは年々夜型へと移行している2).このような時代背景のなか,21時消灯は適切と言えるだろうか.
本稿では,実際に消灯時間延長に至る経緯と,またその結果,患者の睡眠と看護業務にどのような影響があったかを報告する.
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