ぱんせ
―『物語としての痴呆ケア』(小澤 勲,土本亜理子 著)―痴呆をケアする者の軌跡をともに歩いて
土本 亜理子
pp.926-927
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100206
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精神科医であり,入所者全員が痴呆を抱えている老人保健施設の施設長も務めた小澤勲さんは,2003年に『痴呆を生きるということ』(岩波新書)を執筆した.この本は,ご自身ががんを患い余命を宣告されたその日から,痴呆ケアを担う専門家向けに上梓した『痴呆老人からみた世界』(岩崎学術出版社,1998)に,一般の読者に向けて改めて加筆したものだ.最後のつもりで書いた,という.しかしその後,新たに2冊の本が生まれた.1つがその続編である『認知症とは何か』(岩波新書,2005)であり,もう1つが,私が本作りに参加した本書『物語としての痴呆ケア』である.
なぜこの2冊は生まれたのか――.その伝え手の1人として知ること,思うことのいくつかを記してみたい.(「痴呆」という用語に替えて「認知症」を使用する旨の通知が2004年12月に出された.本書執筆中は用語が決定していなかった.執筆当時の気持ちを振り返る意味で本稿では「痴呆」と書かせていただく.)
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