調査・研究
せん妄状態患者に対する看護の現状と課題―特定機能病院における看護師の意識調査より
米島 美晴
1
,
西谷 恭子
2
,
赤坂 政樹
3
1金沢大学医学部附属病院消化器外科・内分泌外科・婦人科混合病棟
2金沢大学医学部附属病院眼科病棟
3金沢大学医学部附属病院精神科病棟
pp.616-620
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100151
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はじめに
国立法人金沢大学医学部附属病院(以下,当院)は,病床数832床,35診療科,平均在院日数24.2日,手術件数5615件(平成15年度)の特定機能病院である.急性期医療・高度先進医療を提供しており,侵襲の大きい新しい検査や処置も少なくない.加えて,平成13(2001)年10月の新病棟移転に伴い,ICUの増床やHCU(術後回復室)の新設,機能分化や在院日数の短縮により,患者の療養環境が一変した.
せん妄は,一般に65歳以上の入院高齢患者が起こしやすいと言われる1).当院では入院患者の約40%を65歳以上の高齢者が占めており,入院・検査・手術等を機に,不穏・せん妄など精神症状を発症することがある.せん妄の要因は複雑であり,対応も困難だ2).また,予防から発症,回復まで継続的な質の高い看護を提供するためには施設全体としての取り組みが必要である.そこで,せん妄状態患者に対するこれまでの看護を振り返り,現状の問題点と課題を明らかにしたので報告する.
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